よじょうブログ

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源氏物語感想(初音〜蛍)

源氏物語感想、前回までのはこちらから。

yojo-takusan.hatenablog.jp

 

では今回は初音から書きたいと思います。

 

初音

玉鬘の帖の衣配りで衣装を配った人たちのところへ行く源氏のお話。短めで中休め的な印象だった。

女人たちの中でもやはり花散里と源氏の関係は「徹底した友情」「肉体の愛を超越した夫婦」と表現されていて、他の女人たちと違う信頼関係を築いているのがなんかいいよね…。ただ、花散里に対して「私のような男でなかったら愛を冷ましてしまうかもしれないような顔を化粧で取り繕いもしないほど私のことを信じてくれていて嬉しい」みたいな、褒めてるようでかなり最低なこと言ってるのはひでえ。でもそんなに気にする風でもなくいつも穏やかなのが花散里の素晴らしさだよね。(いや、源氏の言ってることはまあまあ酷いので、これに腹を立てないことを素晴らしいと言うのはどうかと思うけど、悩み苦しむことなく源氏と長年やっていける秘訣という意味では良いことなんじゃないかな…)

 

胡蝶

養女である玉鬘に男女の仲を迫る源氏最悪すぎる…。「これまでの親子の愛に新たな愛が加わるだけです。そんなに私に冷たくして、傷付きましたよ。こんなに愛情深い男は他にいませんよ。」みたいな物言い、ちょっとすごすぎ…。源氏の被害者ヅラな言動のキレにはいつも感嘆してしまう。最悪なセリフなんだけど、なんか”リアルなクズ男の質感”がして良いんだよね…。源氏に言い寄られて本当の父親の元に引き取られていれば、暮らしぶりはここにいるより劣ったかもしれないけれど父に男女関係を迫られることにはならなかっただろうにと悲しむ玉鬘がつらい…。「(夕顔)の死に心を痛める私を哀れに思って、たまに亡き恋人のような口ぶりで私に接してくれれば良いのです」みたいなことを玉鬘に言うのはマジで最悪!夕顔って玉鬘にとっては亡くなった母でしょ…。亡き元カノの代わりになってってのも最悪だし、その元カノが母なのも最悪だろ!何を言ってるんだ。

 

この間刀ステの配信があった時にTwitter源氏物語物語論についての話題が出ていた気がするけど、ここか!小説について源氏と玉鬘が語り合うのすごく良い!一人でだけ思っていられなくなったことがあって小説が書き始められたのだろう、小説は全然架空のものではなくて人間の誰にもある美点と欠点が盛られているものだと見ればいいのかもしれない…。まさに今でも通じる小説の存在意義というか、意味を言っていて素敵だね。なのにそのあと小説に私ほど真面目な男が書いてあることがありますか?あなたほど恋する男に冷淡な人が出てきますか?と玉鬘を責め始めるところが最悪すぎる~!(笑)お前のどこが真面目じゃい!(笑)子供に読ませる小説を選別したりするのもこの頃もあったんだね。

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