源氏物語の感想、前回蛍まで書いたので続きから書いていきたいと思います。
今回は引き続き玉鬘編であるところの常夏〜野分。
前回の感想はこちら↓
常夏
源氏、なんか玉鬘を手元に置いて結婚させて自分とも恋人にもしておこうか…みたいなことを言っていて何!??ってなった。こ、こいつ…。
夕霧と雲居の雁の恋愛問題について、内大臣は「源氏がどうしてもって言ったら折れてやるのにな〜」みたいなかんじなの、意地っ張りで可愛いなあ。本当左大臣家の登場人物好きだ…。
そして内大臣が外で作ってほったらかしてたのでこの度引き取った娘の近江の君、可愛すぎるやん…。なんでも仕事命じてください!便器の掃除だってやりますよ!っていう積極的な姿勢とか、女御の元に行けって言われてイヤイヤ行ったら良くないから張り切って行こう!みたいな、現代の感覚に照らし合わせたらほんとにいい子なのに、平安貴族感覚だと嘲笑されるギャグキャラとして描かれているのが悲しい…。ちゃんと養育もせずにほったらかしておいて、今更政治利用しようと引き取ってみたら気品のない田舎者でガッカリ…みたいなのちょっと酷すぎないか…。幸せになってほしい女の子No.1まであるよ。
篝火
とても短い帖。実の父である内大臣に引き取られていれば、例え今ほど豊かな暮らしはできなかったとしても父親に言い寄られるなんてことは起こらなかっただろうに…と苦しんでいた玉鬘が、近江の君への内大臣の扱いを見ると実子だったからといって大切に扱われるとは限らないな、迷惑な恋心(源氏の振る舞いがはっきり“迷惑な恋心”って書かれちゃってるのは面白い)を持たれてはいるけど無理強いはしてこないしな…ってまた源氏を信じるようになってる…ううん…。
野分
台風の日、夕霧が紫の上を垣間見る。紫の上のこの上ない美しさの描写がいいね!「春の曙の霞の中から美しい樺桜の咲き乱れたのを見出した気がした。」風流だ。義母であった藤壺に焦がれて過ちを犯した源氏だったけど、息子も同じく義母に焦がれることに…。それを危惧して普段は源氏は徹底的に夕霧を紫の上から遠ざけているのが面白い。さすが経験者。ただ夕霧は源氏と違って無理やり契りたいとかは思わないのが真面目で良い(普通はそうだよ)。
さらに源氏が娘(と夕霧は思っている。実際は血が繋がっていない)の玉鬘とイチャイチャしてるのを見てしまい、心底気持ち悪い、娘でも幼い頃から手元で育てていなければこういう心も起こるものなんだ…悪寒を覚える光景だ…と思って見ている夕霧、言ってくれてありがとう!ってかんじ。玉鬘は源氏にとっては実の娘ではないので、夕霧に勘違いされて源氏は気の毒みたいな地の文があったけど、養女に対してそんな風に接するのも普通にキモくないか?全然気の毒じゃない。