よじょうブログ

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紫式部日記関連書籍これが好き

この間は源氏物語の関連書籍で好きなものを紹介したのですが、今回は紫式部日記の関連書籍で好きな書籍を挙げたいと思います。

源氏物語も好きだけど、紫式部日記も本当に好き!

紫式部日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典

まず、紫式部日記本編はこちらの書籍で読みました。後から気が付いたんですが、これは抜粋本なんですね。全編ではないようですが、(おそらく)重要なパートが現代語訳、元の文章、解説という形で細かく解説がついていて良かったです。全文載っているのもいずれは読まないとな…!

この本の感想と言うよりは紫式部日記全体の感想になるんですが、すごく良かったです!

紫式部の自意識過剰気味なところや自尊心、生きづらさに共感できるところが多すぎる…!

一番共感したのは、帝の御輿が到着したときに帝にはほとんど目を向けず、御輿を担いで這いつくばる担ぎ手に注目して、「あの人大変そう…でも私も女房の仕事ほんと苦労ばっかでつらい、私もあの人と同じだ。」なんて書いてるところ。突然の自語り、仕事つらいアピール…現代人のTwitterみたいで共感しまくりでした(笑)頻繁に人生つらい。。。みたいなことを匂わせながらも具体的に何のこととは書かないのも、Twitter、あるいはちっちゃい字で意味深な匂わせポエム書くインスタストーリーズみたいで最高。

紫式部が周りの女房の空気に流されて他の女房への嫌がらせに加担している様子なども描かれているけど、のちに成長して先輩女房に対してもきちんと批判ができるようになるとか、最初は仕事がダルくて平気で遅刻して行ってたけど翌年には時間を守って頑張ってる様子が書かれてるとか、少しずつ女房として成長している様子が見られるのが素敵ですよね。

最初は周囲に顔を晒して働くなんて嫌!とお嬢様気分で我が身を憂いてばっかりだった紫式部が女房としての自覚を持っていって、もっと彰子サロンはこんな風になっていくべきだという持論を展開するに至ったり、日々の生活の中で考え方や振る舞いが変わってってる様子などもわかって、これぞ日記の良さ!という感じがします。私も日記書きたいな〜なんて思いました。

他にも平安貴族の行事の詳しい内容や、女房たちの衣装の柄・色なんかも細かく描かれているのも興味深いところですね。後々に残っている文献なのに、誰々の服はダサいみたいなことまで名指しで書かれているのは可哀想だけど…(笑)(紫式部、性格悪ぃ〜!)

 

人生はあはれなり…紫式部日記

実は紫式部日記関連で最初に読んだのはこれ。

紫式部日記を漫画でわかりやすく描いている作品で、ギャグ調に描かれていて、作者からのツッコミも添えられているのがめちゃくちゃ面白くて夢中で読んでしまいました。紫式部日記の良い入り口になったと思います。

巻末にある、作者さんの紫式部ばりの自意識が発動する現代的シチュエーションあるあるみたいなやつもめちゃくちゃ共感できて面白かったです。本当、紫式部のめんどくさい系人間っぷりは現代にも通じますね…!!

私は漢文ができる才女だけど、女が漢文できるなんて知られたら叩かれるから、ひけらかさずに隠すべきなのよ(でも気づいてほしい…!チラッ!)みたいな自意識とか、

清少納言は漢文知識をひけらかしたりして何なの!?私はずっと賢い女なんてって言われ続けてきたのに…!みたいな理不尽感とかね…共感できるところありますよね〜…。

紫式部日記紫式部のことを知れば知るほど、源氏物語の拗らせた登場人物たちや、受領や老人、僧などへの地の文でのこき下ろしぶりや作中の扱いなど、なんだか紫式部らしいな〜という気がします。

六条御息所のことを賢い女は疲れる、何事も男に頼っているような女のほうがいいみたいなことを言う光源氏のくだりなんて特に、自分がこれまで言われてきた経験が活かされてるのかなあなんて思ったりしちゃいますね。「世間はそう思ってるんでしょ!」みたいな。創作に作者の人生を見出すのって良くない読み方な気はするんですけど、歴史的人物だからか、考えずにはいられません…。こんなに共感できるめんどくさい系女子が源氏物語を書いたんだと思うとますます源氏物語を好きになっちゃいます(笑)

 

神作家・紫式部のありえない日々

源氏物語執筆を「同人活動」と捉えて、紫式部同人活動in宮中!を描いた漫画です。

めっちゃ面白い!オタク、特に創作をやるオタクにとっては馴染み深い表現が多いので笑えます。

帝の前で源氏物語のタイトルを言ったあと(タイトルを)「ステータスチートで生まれてきたのでとりあえず色んな人と寝たけど本命は義母です」とかにしなくてよかった!!ってなってるところが一番ウケた(笑)

頭中将×光源氏を推してる腐女子の小少将の君さんや、光源氏の夢女子(同担拒否)の左衛門の内侍さん(光源氏の同担拒否夢女子、ハートが強すぎる…。実際、妄想力が強すぎるキャラで面白い)など濃いキャラが多いのも楽しい。新刊が書き上がるたびにこの2人が濃すぎる感想を述べるパートが入るのが面白いのですが、頭中将×光源氏に着目して源氏物語を読んでも、意外と見どころがずっとあるんだな!?という気づきもあった(笑)

定子が桐壺の更衣のモデル説や、愛によって出家への道を絶たれることの絶望など、他の源氏物語解説書等でも読んだことのある内容が織り交ぜられていて、「あっ!これは!」となって楽しかったです。現在3巻まで発売されているので、これからも楽しみです。

 

以上、紫式部日記関連の好きな書籍の紹介でした。どれもここ一ヶ月くらいで読んだのですが、来年の大河までに大枠の準備はできた…はず!来年の大河を楽しみ尽くしたいので、これからも関連書籍を読んでいきたいです。