よじょうブログ

SNSに書いたことのまとめとか。本のこととか。オタクのこととか。

和歌を引用して会話する人への憧れ

誰かが書いているブログを読むと、素朴だけれど美しい日々に感動して「私も日記を書きたい!」と思う。でも私の生活は相当社会から閉じていて、書くネタもそうそうないかんじだ。寂しいな。日々の些細な生活の中でハッとするものを見つけて書き留めておきたいものだ。枕草子だ。

 

今日は、憧れで大好きな先輩が可愛い服を着ていらしたので「今日の服可愛いですね!」と言いたかったのに、超コミュ障だから「可愛いです、ね、あ、その…服!…です」みたいなかんじになってしまった。つらい。次は頑張るぞ。

 

先日、少し早いが桜の枝を頂く機会があった。そんなことは滅多にないので、平安王朝文化にハマっている私としては桜に関する有名な和歌を和紙に書いて添えて写真でも撮ったら超それっぽいんじゃないかと思った。しかしながら桜の和歌が思いつかなかった。どう考えても平安時代の和歌に一番登場しそうな花って桜なのに…。悔しい…。

私がパッと思い浮かぶ「花に関する歌」といえば、「五月待つ花橘の香をかげば 昔の人の袖の香ぞする」と「君ならで誰にか見せむ梅の花 色をも香をも知る人ぞ知る」の2つだ(少ない)。

なぜこの2つなのかというと、私は日記や物語に登場する「和歌の一部だけを口ずさんだり花を渡したりするだけで当該の和歌が思い起こされて相手はすぐに意図を汲む」みたいなシーンが大好きだからだ。

五月待つ花橘の香をかげば〜」と言えば、和泉式部日記で敦道親王が橘の花を和泉式部送って、和泉式部はこの歌をすぐに思い出して返歌をしていた。そのシーンがなんか良すぎだったので超印象に残っている。

「君ならで誰にか見せむ梅の花〜」は、源氏物語の宇治十帖で確か按察大納言が匂宮に梅を手折って贈り、「知る人ぞ知る」と言っていた。これだけでこの和歌の意味=あなた以外の誰にこの梅の花を見せましょうか。この色も香りもわかる人にしかわからない=私の娘の良さを知っているのはあなただけ。あなたにうちの娘をもらって欲しいと言いたいのだと伝えているのがカッコいいと思った。

そういうわけで超印象に残っている2首なのだ。王朝文学とかを読むと、随所にこういうパートが出てくる。ネットミームで会話する我々オタクみたいで最高だ(例えが最悪)。こういうシーンばかりをピックアップした書籍とか、こういうときに引用されやすい古歌の元ネタ集みたいなのないかな…。そういう本があれば超読みたい。